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感謝の気持ちを大切にする

ルージブランにて
cocopafe (以下C):ガラスアクセサリーを作るようになったきっかけをお聞かせ下さい。

大阪のミナミでヨーロッパで買い付けたアクセサリーを売るお店をはじめたのですが、ちっとも売れませんでした。そんな時、芸大の学園祭でガラスを使ったアクセサリーを売る学生をみかけました。 これはおもしろいと思い「買ってあげるからアクセサリーをつくってみないか?」ともちかけました。実際には、商品としては成り立たなかったのですが、 その頃からガラスで何かおもしろいことができるんじゃないかな?と色々調べて自分でも作るようになりました。

ルージブラン社内
そうやってアクセサリーを作るようになって、ある時、商品を見てもらっていたら「キャスト(金属の型で作ったもの)の商品はないの?」と聞かれました。

その時点では「キャスト」というものが何なのかも知らなかったのですが、さっそく電話帳を開いてアクセサリーを作っている工場に電話をかけました。

工場を訪ね「型をつくっておいで」といわれたものの、どうやって作ればいいのかがわからない。手探り状態の中から徐々に必要な知識を得ました。電話帳にはすべてがあると思っています。何かを始めるために、まず学校へ行くということが多いようですが、電話帳からでも、インターネットからでも、今は何だって調べられる。自分で調べていかに動くかということが大事です。

たくさんのアクセサリーが展示されている
C:ご自身のショップ以外での販売はどのように始まったのですか?

ある方から新しくお店をはじめたので商品をわけてほしいと言われました。でもその時は、アパレルの仕事をやりつつ趣味のようにやっていたことだったので、お店に置いた商品をそのままの定価で買っていただいていました。何度も何度もお店に来てたくさん買っていただいて、それが申し訳ないという気持ちから安く売り…それがはじめての卸でした。

その後、知り合いに神戸に雑貨屋さんを始めるので商品を置かないかと声をかけていただき、本格的な卸を始めました。そのお店でもほんとによく売れて、商品が追い付かず毎日徹夜で作りました。台紙もケント紙を切って手作りで、それもよかったんですね。

そこで他のお店からも置かせてほしいとの話があったりと…。自分たちの商品がそんなに売れるとは思っていなかったのだけど、どんどん売れるようになってきて、これは食べていけるんじゃないか?と思って会社設立に至りました。

商品のガラスアクセサリー
以前はアパレル企画会社でデザイナーとして働いていたので、知り合いに「商売を教えてください」とお願いして、基本から勉強しました。

「売上目標は?」と聞かれてもどう考えていいのかもわからない。「じゃあ生活費はいくらほしいの?」と。そこから逆算して具体的な数字が出てきました。そんなところからのスタートでしたが、1年で目標を達成することができ、ものを動かすというのはこういうことなんだと理解できました。


C:なぜデザイナーから転向したのですか?


企画会社ではクライアントの意見が100%で、自分では売れないと思うデザインでも、やらなければなりません。他人の意見に左右されるのに、最終的には自分で責任をとるという点が納得できなかった。今の仕事ではいい結果がでてもでなくても自分の責任なので、やりがいがあります。

ルージブランにて
C:仕事をしていく上で大切にしていることは何ですか?

会社では、一人一人が自分が経営者なのだと意識をもって働けるように指導できることが理想で、そのためにもお互いの気持ちを理解できなければなりません。何よりも大切なのは、感謝の気持ち。人に対しても、ものに対しても、何事もプラスに受け止めて感謝することが大切です。

たとえば不良品がでてしまった場合、なぜ不良品ができたのかを考えるきっかけになります。そのことが勉強できたということは自分にとってプラス。 どんなことが起こっても、マイナスに考えてしまっては、次のステップに進めません。何が起きたかよりも、次にどうするか。何が起こっても、 誰も私の命は取らないのだから…目の前にあることをやり遂げるだけです。

不平・不満・愚痴は嫌い。それを口に出してしまっては、どんどんマイナスのエネルギーが大きくなってしまいます。そういった日は早く切り上げて体調を整えればいい。自分が出したものを相手がどう感じ受け止めるかということを考え、感謝をして前に進めば、もっと違ってくると思います。

C:アクセサリーの今年の傾向は?

全体的には多様化し、流行のない時代になりました。アクセサリーは服と違ってトップブランドの流行に影響されることも少ないのですが、カラーに関しては服とリンクして今年はグリーンとイエローが人気です。あとは、スワロフスキーのようなキラキラした華やかなものや、ヘア関係のアイテムも注目されています。

C:アクセサリーデザイナーになるためには?

まずはデザインの基礎を勉強すること。ミーハーであることも大切ですね。色んなことに常に興味を持って、世の中の動きを敏感に感じとれる人でないとデザイナーはやっていけません。天性の才能といった要素も重要ですが、感性がいい人はたくさんいます。ただ、それを生かせるか生かせないかは自分の努力次第です。努力は才能に勝ることもあります。また、デザイナーとしてやっていくためには体力や自己管理力といったトータルでの能力がなければなりません。

C:アクセサリーショップを持つためには?

アクセサリーのショップを始めることは、案外簡単なのですが、維持することはとても難しいです。アクセサリーで始まったお店は、シルバー、ジュエリーへと移行していくことも多いのですが、アクセサリーだけで継続するには幅広い商品の品揃えが重要になってきます。若い人が小さいお店でもいいから持ちたいなというのであれば、オリジナリティーが大切ですね。それをしっかりと打ち出すことができれば成功につながるでしょう。


cocopafe 編集後記 。。。
佐本さんは筋が一本ビシッと通ってる。優しい人が多く、本気で人の為に、叱れる人が少なくなりました。だって、嫌われたくないし、怒りのエネルギーは身体と精神に負担がかかる。もちろん、佐本さんは理不尽な事で叱る事はないと思うのだが、人生経験の若い人たちには、理解できないこともあるみたい。経営者として一番大事なこと、 それは「人材育成」というはっきりとしたポリシーを持たれている。だから、叱られることを「ありがたく思うこと」がその人の成長になると。「会社で何人 泣かしたことか、、、」と話される時はちょっと寂しそうですが、その眼からは優しさが見えます。一からひとりで立ち上げた会社が数年で25名の社員の生活をみるまでに成長したのは、経営哲学を明確に持ち、なおかつ、何でもリサーチを経て行動する。 といった前向きな姿勢に言い尽くされます。小さなパーツやガラスを扱う仕事上、ささいなミスも許されません、それは商品に反映されるのですから。精神力 も体力もきたえなくっちゃ。そして、ルージブランのアクセサリーは繊細なのだけれど存在感のある、透明な輝きのある商品になって、女性に好まれていくのです。まるで、佐本さんの生き方を映しているようです。
text/photo by I.T.

life@cocopafe.net
佐本さんへのメッセージをお待ちしております。
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*内容によっては受理できない場合もございますのでご了承ください。

Life Navi
May.2004 


佐本也寿子
さもとやすこ
佐本也寿子さん
ルージブラン有限会社代表
アパレル企画会社を経て、アクセサリー会社「ルージブラン」を設立。直営店2店、卸業を営む。仕事と留学中の娘に逢いにアメリカへと、1年のうち半分を海外で過ごし、目下の楽しみは美味しいパン屋巡り。

http://www.rougeblanc.jp

LifeNavi Interview
Vol.4 川﨑 昌子さん:レディースオーダースーツの製作会社代表
Vol.3 佐本 也寿子さん:アクセサリー会社代表

Vol.2 田中 李枝さん:ファッションデザイナー
Vol.1 原田 昌明さん:オートクチュールデザイナー
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